2008 Fiscal Year Annual Research Report
地球潮汐による地震トリガ-作用の発現特性-起震応力場変化との関連性の解明-
Project/Area Number |
05J02489
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
田中 佐千子 National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, 地震研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 地震トリガー作用 / 地球潮汐 / 起震応力場 / 統計検定 |
Research Abstract |
平成20年度は,地球潮汐による地震トリガー作用の出現特性を明らかにすることを目的とし,統計的手法に基づいた地震データの解析により,以下の研究を行った. 2004年以降,スマトラ島沖で相次いで発生した3つの巨大地震(2004年スマトラーアンダマン地震,Mw9.0;2005年ニアス島地震,Mw8.6;2007年南スマトラ地震,Mw8.5)に注目し,その震源域周辺の地震活動について,地球潮汐と地震発生の関係を調査した.その結果,いずれの領域についても,巨大地震の発生に先立ち,約10年間にわたって両者の間に高い相関が現われていたことが明らかとなった.いずれの場合も,地震発生は地球潮汐による応力変化が断層のすべりを促進する位相付近に集中する.このことは,得られた相関が統計的な偶然ではないことを示しており,地球潮汐による地震トリガー作用の出現の有無が大地震発生に至る応力蓄積過程に密接に関連している可能性を強く示唆している.
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