2006 Fiscal Year Annual Research Report
化学ベクトル法を用いたリン酸塩ガラスハイドロゲルの設計と電気化学デバイスへの応用
Project/Area Number |
05J02523
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤松 貴文 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プロトン伝導体 / リン酸塩ガラス / 水和反応 / 化学ベクトル法 |
Research Abstract |
1 デバイス毎に最適なハイドロゲルの組成を決定し、デバイス性能の評価を行う。 メタリン酸塩ガラス粉末と水を混合して得られるハイドロゲルは、室温付近で高いプロトン伝導性を示す。また、適度な粘性を持ち、電極との高い接着性に期待できることから、電気二重層キャパシタ(EDLC)への応用について検討した。評価は、サイクリックボルタンメトリー、自己放電試験、交流インビーダンス測定等を行った。研究初期では、EDLCの特徴であるFオーダーの静電容量を得ることができなかったが、キャパシタ用のセル、電極の購入を行い、最適なセル構造について検討を行ったことで、33F/g(g:活性炭重量)の静電容量を得ることに成功し、実用化レベルの性能が得られた。正リン酸を用いたEDLCとの比較を行ったところ、ハイドロゲルを用いたEDLCは充電後の端子間電圧が低下しにくいことがわかった。このことは、ハイドロゲルをEDLCに用いる最大のメリットであると考えている。さらなる性能向上のため、EDLCセルの小型化や軽量化について検討している。 2 ハイドロゲルを用いたデバイスの評価を行い、リン酸鎖が蓄電機構にどのような影響を与えているかを調べる。 ハイドロゲルの優れた電圧保持能は、充電後のEDLCで起こる自己放電のメカニズムが電解液と異なっていることが原因であると考え、種々の解析を行った。その結果、ハイドロゲル中のリン酸鎖が影響していると予想された。リン酸鎖はイオンサイズが大きく、充電状態から放電されるときに、元の状態に戻りにくい。そのため、電圧の低下が抑制されていると考えられた。この成果をまとめた論文は、海外雑誌に採択された。
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Research Products
(4 results)