2005 Fiscal Year Annual Research Report
高悪性度骨軟部肉腫抗原PBFの分子免疫応答解析と治療応用
Project/Area Number |
05J02568
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
塚原 智英 札幌医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | papillomavirus binding factor / tumor antigen / immunotherapy / osteosarcoma / immunohistochemistry / HLA class I / Scythe |
Research Abstract |
HLA-A24/A2に結合モチーフを持つ骨肉腫抗原PBFペプチドの同定 PBFの全アミノ酸配列よりHLA-24またはA2に結合モチーフを持つペプチドを検索して,各10種ずつ合成した.実際のペプチドとHLA分子との結合能をMHC stabilization assayにて評価し,HLA-A24,A2それぞれで,もっとも結合能が高いペプチドを選択した.これらのペプチドを抗原として,骨肉腫患者末梢血単核球よりペプチド特異的CTL誘導を試みた.結果,HLA-A24,A2症例いずれにおいても,ペプチド特異的CTLの存在がMHC-peptide tetramerで確認された.今後,CTLの機能を評価し,臨床応用可能なPBFペプチドワクチン構造を確定する. PBFの機能解析 骨軟部肉腫生検組織を抗PBFポリクローナル抗体で免疫染色して,PBFの発現パターンと骨軟部肉腫患者の予後を検討した.症例には標準的治療プロトコルが確立している骨肉腫患者を選択した.結果,骨肉腫患者22例において,生検腫瘍組織でPBFが発現してる症例は,発現していない症例に比べて予後が不良な傾向にあった.今後症例数を増やして,さらに検討する.また同じ生検組織を抗HLA class I抗体で免疫染色したところ,HLA class I分子が強発現している症例は,発現が見られない症例に比べて,有意に予後がよかった.骨肉腫が宿主免疫系に認識されていることを示唆する結果となった. また,PBFの機能を明らかにするために,PBFと結合する蛋白をyeast two hybrid法により検索した.スクリーニングするcDNAライブラリは骨肉腫細胞株OS2000より作製した.30000クローンをスクリーニングした結果,アポトーシス関連分子Scytheが同定された.ScytheはBAGドメインを持ちHeat-shock proteinの機能を調節すると言われている.今後,骨肉腫細胞の増殖とアポトーシスのコントロールにおけるPBFとScytheの役割をさらに検討していく.
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Research Products
(4 results)