2005 Fiscal Year Annual Research Report
刺激競合に関する比較心理学的研究:同一の刺激により生じる連合学習の総量は一定か?
Project/Area Number |
05J02574
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
漆原 宏次 大阪教育大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 連合学習 / 刺激競合 / 比較心理学 / イモリ / ラット / 因果推論 |
Research Abstract |
連合学習場面において、複数の手がかり刺激(例えば古典的条件づけにおける条件刺激)が、ある結果事象(例えば古典的条件づけにおける無条件刺激等、生活体にとって重要な刺激)と対提示されると、各手がかり刺激に対して生じる連合学習は減少する。この刺激競合現象に関してこれまで広く受け入れられてきたのは、刺激競合現象を、結果事象の持つ資源が複数の手がかり刺激間で分割された結果であるとする説明(限定資源仮説)である。本研究の目的は、刺激競合現象のメカニズムに関する実験的検証を、限定資源仮説に注目し、ラット、ヒト、さらにはより低次な動物など複数の被験体種を対象として行うことである。具体的には、限定資源仮説から導かれる、競合する個々の手がかり刺激に対する連合学習は変動するが、全手がかり刺激に対する連合学習の総量(総和)は一定となる、という予測を、ラットやより低次な動物を対象とした条件づけ場面、ヒトを対象とした因果推論場面などのさまざまな連合学習場面において、実験的に検証する。 本年度は、アカハライモリを被験体に用いた条件づけ事態において、基本的な刺激競合現象を確認することを目的とし、一連の実験を行った。しかしながら、イモリにおける刺激競合現象を検証するのに適切と思われる実験パラダイムの確立には至らなかった。使用する刺激、行動指標などのさらなる検討が必要と思われる。また、並行し、ヒトを対象とした随伴性判断事態における実験の準備を行った。来年度以降に実験を行う予定である。さらに、前年度までに得られたデータを雑誌論文あるいは学会発表等の形で公表した。
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Research Products
(3 results)