2005 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物における種内一側性不和合性を支配する柱頭・花粉両因子の解析
Project/Area Number |
05J02578
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
高田 美信 大阪教育大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | アブラナ科植物 / 柱頭-花粉情報伝達 / 一側性不和合性 / 自家不和合性 / S遺伝子 |
Research Abstract |
S^<52>,S^<60>個体とトルコ系統間で生じる一側性不和合性は、B.rapaいう同一種内で起こり、さらに従来のような和合性x不和合性系統間で生じるようなものではなく、柱頭側、花粉側両個体ともに自家不和合性系統で起きる現象であった。今年度は、柱頭側因子について遺伝学的解析を行うとともに、花粉側因子に連鎖するDNAマーカーの単離を行った。 S^<52>,S^<60>系統で、一側性不和合性を持つ個体と、持たない系統S^<28>(S-9j)との分離世代を作出しその表現型を確認したところ、F1個体8個体はいずれも花粉側一側性不和合性を持つS^<40>の花粉に対して、不和合性を示した。さらに、F2世代を作出し、そのS遺伝子型と一側性不和合性表現型を検定したところ、S遺伝子座に関しては、従来通りS^<52>/S^<52>:S^9/S^<52>:S^9/S^9=1:2:1に分離したものの、一側性不和合性表現型は使用したS^<52>xS^9 F2個体群100個体中、98個体がトルコ系統花粉に対して不和合性を示した。この結果から、柱頭側因子に関しては、現状では連鎖解析を行うことが困難であった。来年度以降にさらに遺伝学的解析を重ねることが必要であると考えられる。 花粉側因子に関しては、バルク法とAFLP法を用いて表現型に連鎖するDNAマーカーの単離を試みた。一側性不和合性を持つトルコ系統と、持たない日本系統のF1,F2世代を育成し、約1800組み合わせのプライマーセットから、2つの候補断片を得た。今後は、これらDNAマーカー候補に関する連鎖解析をする予定である。
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Research Products
(3 results)