2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02724
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
成瀬 雅衣 生理学研究所, 分子生理研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / Cre / loxP / 背側 / 腹側 / Nestin / in utero electroporation |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイトの発生起源は腹側領域にのみあると考えられてきたが、近年ではオリゴデンドロサイトの発生起源が背側領域にも存在することが示唆された。しかしながら、その時期・領域特異性は明らかではない。Olig2-CreERマウスは時間特異的にオリゴデンドロサイト前駆細胞を標識できるが、背側オリゴデンドロサイトが発生する時期は腹側由来のオリゴデンドロサイトが発生した後であると推測されるので、このトランスジェニックマウスを利用して背側由来のオリゴデンドロサイトの発生起源を明らかにすることは不可能である。そこて神経幹/前駆細胞を時間特異的に標識できるNestin-CreER tgマウスを作製した。このマウスでは脳室層周囲特異的にCreの発現が観察され、タモキシフェン投与によって時期特異的にオリゴデンドロサイトを標識で切る事を明らかにした。このマウスを使用し、発生初期、中期、後期、生後に神経幹/前駆細胞を標識する事で、いつ背側に存在するオリゴデンドロサイトが神経幹/前駆細胞から産生されるか明らかにすることが可能である。また、in utero electroporation法によりCre-recombinaseを背側領域特異的に胎齢16日のマウス胎仔の脳室層細胞に発現させ、背側脳室層細胞を特異的に標識した。これらの細胞系譜を解析した結果、オリゴデンドロサイト前駆細胞が背側領域の脳室層全体から発生することを示唆した。今後はこれらのオリゴデンドロサイト前駆細胞が成熟オリゴデンドロサイト前駆細胞になるか検討をおこなう必要がある。 また、昨年度の研究成果を二報の国際雑誌に発表した。
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Research Products
(2 results)