2005 Fiscal Year Annual Research Report
浸透圧センサーTRPチャネルの同定と細胞容積調節メカニズムにおける役割の解明
Project/Area Number |
05J02725
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
沼田 朋大 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 浸透圧センサー / TRPチャネル |
Research Abstract |
上皮系細胞において、パッチクランプ法を適用し浸透圧センサーとして機能するイオンチャネルを探索した結果、細胞外液の浸透圧変化を感知し活性化する非選択的カチオンチャネル電流を見つけた。さらにこのチャネルは細胞外液灌流やパッチピペット内への陰圧での機械刺激を与える事によっても活性化されることも判明した。詳細にチャネルの電気生理学的性質を調べると約25pSのコンダクタンス、Ca^<2+>透過性を有し、30dyn/cm^2〜の灌流刺激や3cm-H_2O〜のパッチピペット内陰圧負荷による機械刺激で活性化する機械受容チャネルである事が分かった。薬理学的性質は、Gd^<3+>,ruthenium red, SKF 96365に感受性があることがわかった。近年まで、哺乳類において機械受容チャネルの分子実体は不明であったが、最近になり様々な刺激によって活性化されるTRP(Transient Receptor Potential)チャネル遺伝子ファミリーが明らかになってきているので、TRPチャネルがその候補であると考え、まずRT-PCR法で上皮系細胞においてTRPチャネルの発現を選別した。その結果、主にTRPM7チャネルの発現を確認した。そこでTRPM7チャネルに対するsiRNAを用いたノックダウン法で上皮細胞に発現する機械受容チャネルがTRPM7の分子実体であるかどうかを確認した。TRPM7に特異的なsiRNAを用いたノックダウンの結果、RT-PCR法によるmRNA、western blotting法による蛋白、パッチクランプ法による電流の抑制を確認した。これらの結果より、上皮細胞においてTRPM7チャネルが浸透圧センサーとして機能していることが判明した。
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