2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ生殖細胞-セルトリ細胞共培養系を用いた精子形成調節因子の探索
Project/Area Number |
05J02731
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
栗田 加代子 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セルトリ細胞 / 培養細胞 / ゼブラフィッシュ / 精原細胞 / 精子形成 / 増殖 / 分化 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
精子は精原幹細胞から分化する。幹細胞はほぼ生涯にわたって維持され、精子が作り続けられる。その分化過程は精巣内の体細胞であるセルトリ細胞との相互作用によって進んでいく。しかしながら、適当な実験系がないことと、生殖細胞の分化がその生物の発生後期に当たり変異体解析が行い難いことから、精子形成過程についての解析は遅れている。そこで、本研究ではゼブラフィッシュセルトリ細胞株を用いて、精原細胞の増殖あるいは分化に関与する因子群の同定を目指した。 初年度は、生殖細胞に異なる作用を及ぼす2つのセルトリ細胞株を用いて、その機能の差をもたらす因子を探索した。精原細胞の増殖を促す作用を持つ株(ZtA6-2)と精子への分化を促す作用を持つ株(ZtA6-12)について、発現分子の比較を行った。ZtA6-2株とZtA6-12株それぞれからRNAを抽出し、一方のcDNAをテスターとし、もう一方のcDNAをドライバーとして、あるいはその逆でサブトラクション実験を行った。得られたcDNAをクローニングし、塩基配列を部分的に決定し、BLAST searchにかけて解析した。その結果、ZtA6-2株で177個、ZtA6-12株で236個の株特異的クローンが得られた。BLAST searchの結果から、出現回数が2回以上であった67クローンについて、ZtA6-2株とZtA6-12株での発現量をreal-time PCR法で現在確かめているところである。すでに、3G09クローンは135倍、1C03は206倍、ZtA6-2株で強く発現していることが確認できている。今後、この2株間で発現量に差の認められたクローンについて、精子形成の発達段階に応じて発現が異なるものをスクリーニングし、精巣での発現局在と機能を解析する計画である。
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