2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ生殖細胞-セルトリ細胞共培養系を用いた精子形成調節因子の探索
Project/Area Number |
05J02731
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
太田 加代子 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セルトリ細胞 / 培養細胞 / ゼブラフィッシュ / 精原細胞 / 精子形成 / 増殖 / 分化 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
セルトリ細胞は精巣において生殖細胞と直接接触する唯一の細胞で、増殖や分化に関わる因子を生殖細胞に供給する重要な細胞である。本研究では精原細胞の増殖を促す作用を持つセルトリ細胞株(ZtA6-2)と精子への分化を促す作用を持つ株(ZtA6-12)を用いて、精原細胞の増殖あるいは分化に関与する因子群の同定を目指した。 初年度では、ZtA6-2とZtA6-12両株間で発現する遺伝子の差異をcDNAサブトラクション法を用いて解析し、その機能の差をもたらす因子を探索した。その結果、ZtA6-2株で177個、ZtA6-12株で236個の株特異的クローンが得られていた。 本年度は、まずcDNAサブトラクション法により得られたクローンについて、株間での発現量をreal-time PCR法で解析し、21クローンについて1.63〜206倍の発現量の差が認められた。そこで、次に精巣組織におけるこれらの遺伝子の発現局在をin situ hybridization法により解析した。その結果、connective tissue growth factor(CTGF)の発現が、精原細胞の周囲で局所的に認められ、先のreal-time PCR法のZtA6-2株で高いという結果と一致した。したがって、CTGFが精原細胞の増殖あるいは維持への働きが示唆された。 一方、上記のcDNAサブトラクション法と平行してマイクロアレイの解析も行い、2つの株間での発現遺伝子の差異の解析を行った。株間で差の認められた遺伝子のうち24クローンについて、株間での発現量をreal time PCR法により調べた。その結果、レチノイン酸分解酵素であるcyp26b1を含む3クローンが得られた。現在、real time PCR法によりZtA6-12株で発現が高いことが分かったcyp26b1について精原細胞の分化へ及ぼす機能の解明を目的として解析を行っている。
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