2006 Fiscal Year Annual Research Report
南インドの基層における政治的信頼の構造と政治関連データの視覚的利用の問題点
Project/Area Number |
05J02736
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
北川 将之 専修大学, 法学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | インド / 政治 / 地理情報システム / 民主主義 / フィールドワーク / 地域研究 / 貧困 / エンパワーメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、南インド農村の政治的信頼の構造を検討し、村民にとって利便性の高い地理情報データの視覚的利用のあり方を提言することにある。本年度の課題は、(1)政治的信頼に関する意識データの分析、(2)データ・マップの作成と試験である。 第一に、政治意識データを分析して、関連学会等に報告した。政治的信頼に関する調査では、「信頼」と「用心深さ」の質問項目を別々に設定して、カルナータカ州チャンナパトナ郡とラムナガーラム郡、および、ケーララ州コッターヤム郡の村民と村議員を対象に、聞き取りを行った。なお、本調査は、当初の予定では本年度と来年度(2年目と3年目)に行う計画を、現地機関との関係から、昨年度(1年目)の末に前倒しして実施したものである。そのため、本年度は現地調査を行わず、研究成果の発表に力点を置いた。分析結果としては、小口融資団体に加入している貧困層女性の一部に、「自助」型の政治意識が考察された。この分析結果は、国際学術会議(International Political Science Association)および国内学会等(上智大学ワークショップと日本南アジア学会)で報告した。 自助型の政治意識形成の背景には、貧困層女性のエンパワーメント支援活動を行う現地NGOの関与があるのではないか、と考えられる。この点については、来年度、現地調査をして再検討する必要がある。 第二に、社会経済データ・マップの作成と試験である。昨年度に収集した基礎的資料を用いて、ベンガルール農村県のデータ・マップを作成した。だが、歴史的な地誌資料の不足と技術的問題(ソフトウェアと資料の不整合等)があり、データ・マップが不十分な状態で、当初の予定であったデータ・マップの有効性の試験は、本年度に行うことができなかった。来年度に、試験を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)