2005 Fiscal Year Annual Research Report
異物センサー機能を有する核内レセプターCARの機能解析
Project/Area Number |
05J02748
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
菅野 裕一朗 東邦大学, 薬学部, 特別研究員(DC2)
|
Research Abstract |
Constitutive Androstane/Active Receptor(CAR)は肝細胞などの細胞質に常在する核内レセプター遺伝子スパーファミリーに属する細胞内受容体型転写因子の一つであり、N末端側のDNA結合領域(DBD)とC末端側のリガンド結合領域(LBD)がHinge領域により結合されている。PBなどの薬物などの外因性異物や未知の内因性物質を感知すると核内へ移行し、別の核内レセプターRXRとヘテロダイマーを形成して標的遺伝子上流に位置するシスエレメントに結合し転写活性化を引き起こす。したがって、細胞質から核への移行がCARによる転写活性化の重要なステップである。しかしながら、培養細胞系でCARを発現させると非刺激化においても核へ移行してしまい、in vivoにおけるCARの挙動は再現できない。そこでin vitroで常時スイッチオンの状態にあるCARの核移行シグナルを同定するため、GFP-融合CARタンパク質発現プラスミドと種々のCAR欠損タンパク質発現プラスミドを構築し、ラット肝細胞由来のRL-34細胞及びラット肝初代培養細胞に導入後、細胞内分布を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、ラットCARではHinge領域に存在する核移行シグナル1(NLS1)とLBDに存在するNLS2の二つの核移行シグナルの存在をみいだした。またCARは初代培養肝細胞において細胞質局在に必要な細胞質細胞質保持領域(CRR)を持っていることを明らかにした(Biochim Biophys Acta. 2005 1745 215-222)。同様の実験を他の細胞株(HepG2,MCF-7,Cos-7)で行い、RL-34細胞ではCRRの機能が失われている可能性を示唆した。CRRの機能はレプトマイシンBで阻害されることやコンセンサス配列を変異させるとその機能が失われることからCRM依存的核外移行シグナルであることがわかった。
|
Research Products
(2 results)