2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02751
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
島田 奈央 東邦大学, 理学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝子 / シグナル伝達 / 進化 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続きSTATaサプレッサー遺伝子であるDd-CHI (SunB)、NK20、dutA遺伝子について解析を行った。 1.SunB遺伝子破壊株の作製を試みた。SunBはゲノム上に2コピー存在すると考えられる遺伝子で、これまでに1コピー目の破壊には成功している。現在、さらにもう1コピー目の遺伝子破壊を行っている。SunBのGFP融合コンストラクトを用いて多細胞体中での局在を観察したところ、子実体形成期の柄細胞での特異的な局在が観察された。また欠損変異SunBとGFPの融合コンストラクトを作製し局在をみると、予定柄細胞以外で局在がみられるようになった。現在、SunBとSTATaシグナルの関係を調べるため、SunBを過剰発現させた株中のリン酸化STATa量の変化を調べている。 2.NK20遺伝子は93アミノ酸からなる小さなタンパク質をコードしセリンとグリシンに極めて富んていることから翻訳されているか不明であったが、GFPタグを付け発現させることでタンパク質に翻訳されていることを確認した。細胞性粘菌ゲノムには50個以上のファミリー遺伝子が存在し、これらの中から2C、7E、DDBO231646、DDBO204182、DDBO231563、DDBO168225を選び過剰発現させたところ、予定柄細胞で発現する遺伝子のみサプレッションを引き起こすことが明らかになった。 3.ncRNAとして機能しているdutA遺伝子ではSTATaのリン酸化が上昇し、STATaの下流にあるecmF、cudA遺伝子の発現についてもサプレッションがみられた。これらのことから、dutAはチロシンキナーゼの活性化を通してSTATシグナルと関連していることが示唆された。またdutA遺伝子破壊株でもこれらの発現が見られることから、dutAがSTATaを負に制御している可能性が示された。これらの結果にっいては論文としてまとめ投稿しアクセプトされた。 4.これまでに引き続き、新たに5万クローンのSTATaサプレッサー遺伝子のスクリーニングを行った。その結果、6個の新規サプレッサー遺伝子が単離された。
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Research Products
(2 results)