2005 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレスによって誘導されるオートファジーの解析
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05J02804
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
緒方 麻衣子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 小胞体ストレス / オートファジー |
Research Abstract |
1、小胞体ストレス誘導性オートファジーの可視化 LC3がオートファゴソームに局在するということは現在広く知られており、その性質を生かして、オートファジーのマーカーとして使用されているGFP-LC3の発現ベクターを細胞に過剰発現させ、オートファジーの定量を行った。小胞体ストレスを負荷すると、LC3が集積するドットの面積が有意に上昇した。また、LC3がプロセシングを受けて、分子量の小さいLC3-IIになることを利用して、抗LC3抗体を用いてウエスタンブロッティングを行ったところ、小胞体ストレスの負荷によってLC3-IIフォームの増加が認められた。 2、電子顕微鏡によるオートファゴソームの観察 小胞体ストレス負荷時の細胞を電子顕微鏡で観察したところ、細胞内に多数のオートファゴソームが観察された。また、小胞体ストレスを負荷したときの、細胞内のLC3の局在を免疫電顕によって調べたところ、LC3は確かにオートファゴソームの膜に存在することが確かめられた。 3、オートファジーのシグナル伝達経路の解析 IRE1、PERKのノックアウト細胞、ATF6のノックダウン細胞を用いて1と同様の実験を行ったところ、IRE1ノックアウト細胞では小胞体ストレスによるオートファジーの誘導が観察されなかった。そのため、小胞体ストレスによるオートファジーの誘導は、小胞体ストレスセンサーであるIRE1経路を介して起こっていることが示唆された。
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