2007 Fiscal Year Annual Research Report
未分化ES細胞特異的に発現する遺伝子群のエピジェネテックな発現調節機構の解明
Project/Area Number |
05J02849
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 公紀 Kyoto University, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | iPS細胞 / 生殖細胞 / Mvh |
Research Abstract |
近年、当研究室において体細胞に特定の転写因子(Oct4,Sox2,Klf4,c-Myc)を導入することによってES細胞と類似の多能性幹細胞に初期化可能であることが示され、iPS(induced pluripotent stem)細胞と名付けられた。申請者はES細胞と生殖幹細胞の類似と相違に関する研究を行ってきたことから、これまでの知見を生かしてマウスips細胞からin vitroで生殖細胞を分化誘導することを目的として新たに研究を開始した。まず、生殖細胞特異的に発現する遺伝子Mvh(mouse vasa homolog)のプロモーター下に赤色蛍光タンパクであるRFP(red fluorescence protein)遺伝子を導入したトランスジェニックマウスからHepatocyteを単離し、複数クローンのiPS細胞を樹立した。これらのiPS細胞を接着培養、及び浮遊培養で分化誘導したところ、接着培養では解析した12クローン中1クローンでMvh-RFP陽性細胞が確認された。一方、浮遊培養では12クローン中全てのクローンでMvh-RFP陽性細胞が誘導可能であることが確認された。しかし、浮遊培養の細胞凝集塊中に占めるMvh-RFP陽性細胞数は少なく、大多数のMvh-RFP陰性細胞集団の中に混在して存在していた。これらの細胞凝集塊を一旦分離した後に、生殖幹細胞培養条件下で再度浮遊培養すると、Mvh-RFP陽性細胞が比較的均一に集まった細胞凝集塊を形成させることが可能であった。今後はMvh-RFP陽性細胞の遺伝子発現やゲノムインプリンティング、産児形成能力などの解析を行い、in vitro分化誘導で得られたiPS由来生殖細胞と生体内で形成される生殖細胞の比較を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)