2005 Fiscal Year Annual Research Report
スピン型ソーラーセイルの膜展開および膜振動制御用機構の研究と開発
Project/Area Number |
05J02872
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
中谷 幸司 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙航行システム研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | ソーラーセイル / 膜展開 / 超小型衛星 / 宇宙機システム / M-Vサブペイロード |
Research Abstract |
平成17年度はスピン型ソーラーセイルの膜展開制御に関する研究を中心に進めた.本研究は理論的側面と実験的側面から実施し,それぞれに関して重要な知見を得ることができた.理論的側面については,第一に,ソーラーセイルの展開膜を多質点で近似した数値シミュレーションモデルを構築した.多質点を用いる手法は従来からあるものであるが,より現実に近いコンフィグレーションおよび数値パラメータを選定した.第二に,構築した数値シミュレーションモデルを用いて,膜面を確実に展開させるための展開制御と手順について考察を行った.現在JAXA宇宙科学研究本部で検討されているスピン型ソーラーセイルでは,膜展開を2段階に分けて行うことが想定されており,第1段展開,第2段展開を制御するためにそれぞれ4本の膜固定ストッパーを使用している.これらのストッパーの展開時間差を考慮した数値シミュレーションを実施し,安定に膜を展開するための許容時間差や,宇宙機のスピン角速度制御に関する考察を実施した. 実験的側面に関しては,実際に軌道上においてソーラーセイルの膜展開を実験する装置の開発に着手した.平成18年度夏期にM-Vロケット7号機で打ち上げ予定の科学衛星SOLAR-Bの相乗り衛星(サブペイロード:5kg級)を想定した宇宙機システムの設計と製作を行った.本年度中に,宇宙機構造の設計・製作を完了し,打ち上げ環境試験により設計の妥当性を確認した.また,搭載電子機器の設計と製作を行い,地上局適合試験等を実施中である. 平成18年度は,このサブペイロード実験によって得られたデータを解析・評価するとともに,ソーラーセイル型宇宙機のように大規模膜を有する宇宙機の姿勢制御やそれにともない発生する膜振動の影響について解析・評価する予定である.
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Research Products
(2 results)