2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J03100
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂田 一郎 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 胃 / グレリン / 性ホルモン / エストロゲン / アロマターゼ |
Research Abstract |
本研究では、分子生物学的手法及び形態学的手法を用いて胃グレリン産生細胞におけるグレリン発現に対するエストロゲンの効果を明らかにした。グレリン細胞へのエストロゲンの直接的刺激効果を検討するために、ラット胃粘膜からグレリン細胞を高密度に取得する方法を確立し、この細胞群を用いてin vitroでのエストロゲンの効果を検討した。その結果、エストロゲン濃度依存的に細胞中のグレリンmRNA量が増加すると同時に、培養液中のグレリン濃度も有意に上昇するという新しい知見を得た。また、エストロゲンアンタゴニストの処理によりその効果が減弱することから、エストロゲンが胃粘膜細胞に存在するエストロゲン受容体を介して作用することを証明した。また、生体内で胃グレリンに作用するエストロゲンの起源についても検討を行い、その主要な起源は血液中に存在するエストロゲンではなく、胃で産生されたエストロゲンが直接胃グレリン発現に関係していることを、胃細切組織片を用いたアロマターゼ阻害剤実験から明らかにした。さらに、グレリン細胞とアロマターゼmRNA発現細胞の2重染色を行い、これら2つの細胞は、隣接して存在していることを観察した。加えて、エストロゲンの胃グレリン発現に与える効果は雌雄ともに見られ、性別に関係なく同じメカニズムで胃グレリン発現調節が行われていることを明らかにした。本研究で得られた胃で産生されたエストロゲンがホルモン産生に関与するという結果は、現在外国雑誌に投稿中である。
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Research Products
(2 results)