2007 Fiscal Year Annual Research Report
交差するDブレイン系におけるタキオン凝縮とその現象論的応用
Project/Area Number |
05J03141
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
長岡 悟史 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 行列模型 / 光錐-超弦理論 / Dブレーン / 頂点演算子 |
Research Abstract |
弦理論は時空の構造を導き出せる理論であると考えられており、ここ数年はその非摂動的な側面が盛んに研究されている。特に行列模型は弦理論を非摂動的に定式化し得る理論であると考えられており、様々な角度から精力的に研究されている。タイプIIB行列模型は理論の基本構成要素がDブレーンであり、基本弦の摂動論とは結合定数に関して双対な関係にある。そのため、弦の散乱振幅の計算や摂動論的な相互作用の計算は、困難であった。我々は、行列模型の有効理論として現れる2次元の超対称性をN=8持った非可換空間上のゲージ理論に注目して以下の解析を行なった。 行列模型の解として現れる2次元非可換背景からGreen-Schwarz型のタイプIIA光錐-超弦理論を導き出した。まず、弦の作用を非可換ゲージ理論の低エネルギー極限で導き出した。これは弦理論における結合定数が弱い極限と対応しているため自由弦が得られ、これにより弦の質量スペクトルや物理状態を記述できるようになる。また、光錐弦の持つ超対称変換を行列模型の2次元非可換背景に対する超対称変換から得た。さらに、行列模型から弦の散乱振幅を直接計算することを目指して、行列模型の頂点演算子と弦の頂点演算子との間の対応を解析し、2次元背景における低エネルギー極限では両者の中で超重力場に関しては演算子の形が一致することを示した。今後この解析を進めていくことにより、弦の多体系の相互作用などが行列模型の立場から明らかになることを目指す。
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Research Products
(1 results)