2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しいタイプのシアン耐性キノール酸化酵素を標的とするシャーガス病治療薬開発
Project/Area Number |
05J03183
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 光子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | クルーズトリパノソーマ / シアン耐性キノール酸化酵素 / ミトコンドリア / 電子伝達系 / シャーガス病 |
Research Abstract |
1.リコンビナントTcrAOX (rTcrAOX)の酵素学的解析 昨年度までに、クルーズトリパノソーマ原虫ゲノムに、新しいタイプのシアン耐性キノール酸化酵素(TcrAOX)を見出した。そこで、TcrAOXの詳細な酵素学的解析を行うため、リコンビナントTcrAOX(rTcrAOX)の作成を行った。rTcrAOXを大腸菌で発現させる際には、内在性のシトクロームbo、bd活性を除去した(Δbo,Δbd)大腸菌を用いることにより、大腸菌の末端酸化酵素活性はすべてrTcrAOX活性に依存する系を作製した。この系を用いて、rTcrAOXの大腸菌の増殖に対する効果をみたところ、IPTGによる発現誘導で増殖率の増加が観察され、rTcrAOXが末端酸化酵素として機能していると考えられた。そこで、次に大腸菌の膜画分を回収し、ユビキノール酸化活性を測定した結果、ユビキノール酸化活性が見られた。従って、rTcrAOXはユビキノール酸化活性を有していると考えられた。そこで、この系を用いてのrTcrAOX酵素大量調製系構築の条件検討を始めた。 2.クルーズトリパノソーマ原虫におけるライフステージ別のTcrAOXの発現解析 TcrAOXがどのステージのミトコンドリアで、どの程度寄与しているかが不明であったため、アマスティゴート、トリポマスティゴート、昆虫型それぞれのステージにおいて、蛍光抗体法により、TcrAOX特異的な抗体とミトコンドリアを検出するマイトトラッカーとの2重染色を行った結果、すべてのステージにおいて、TcrAOXがミトコンドリアで発現していることが明らかになった。 また、各ステージからミトコンドリア画分を精製し、ウエスタンブロットを行った結果、すべてのステージで同程度の発現が確認されたが、哺乳類型(アマスティゴート・トリポマスティゴート)では2つのアイソフォームとして存在している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)