2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J03285
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 祐輔 日本大学, 生物資源科学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 樹状細胞 / Toll様受容体(TLR) / Bifidobacterium |
Research Abstract |
プロバイオティクスやプレバイオティクスを摂取することによって腸内細菌叢を改善し、免疫系を修飾する試みが始まっている。この様な、細菌刺激に対しては、腸管に存在する樹状細胞(DC)がその認識に関与していると推測されるが、腸管に存在するDCと腸内細菌との相互関係については、その詳細が明らかでない。よって、本研究では、マウスパイエル板DCに対し、様々な腸内細菌からの刺激を与え、腸管に存在するDCと腸内細菌との相互関係を分子細胞学的見地から解明することを目的とした。 (1)パイエル板DCの精製 DCは微少細胞であるため、その精製は非常に困難である。簡易かつ効率的にパイエル板DCを精製する方法を検討した結果、磁気カラム分離法を用いB細胞とT細胞をあらかじめ除去し、それからCD11c陽性細胞を用いてCD19-Thy1.2^-CD11c^+DCにすることによって純度96%以上のDCを効率的に精製することに成功した。 (2)パイエル板DCのToll様受容体(TLR)発現とその発現に及ぼす菌体刺激による影響 上記のような方法で精製したパイエル板DCを同様の方法で精製した脾臓細胞DCと比較すると、グラム陽性菌を認識するTLR2の発現が低いことが明らかになった。また、プロバイオティクスとして期待されているBifidobacterium菌体成分で3時間刺激した場合のTLRおよびサイトカインのmRNA発現を検討したところ、サイトカインの一部(TNF,IFN,IL-10,IL-6など)のmRNA発現は増加したが、TLRのmRNAは発現増加しなかった。このことから、菌体成分の認識とTLRのmRNA発現増加の相関性は認められないものの、元々TLRの発現量が低いパイエル板DCも菌体刺激で活性化することが示唆された。
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