2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J03322
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Research Institution | NTT Communication Science Laboratories |
Principal Investigator |
山田 和香 (藤崎 和香) 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 日本学術振興会特別研究員PD
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Keywords | 視聴覚相互作用 / 時間知覚 / 主観的同時性 / 同期位相弁別 / 視覚探索 |
Research Abstract |
時間的な同期性は、異なる感覚モダリティに提示された情報を統合するための重要な手がかりである。異なる感覚モダリティ間の同期検出のメカニズムを探るため、今年度は、まず視聴覚同期検出の時間特性について検討した。具体的には、さまざまな時間周波数、さまざまな波形で輝度(視覚刺激)と振幅(聴覚刺激)を変調した刺激を用いて、視聴覚信号の同期・非同期弁別課題を行った。その結果、周期パルス列で変調した刺激の場合、変調周波数が約4Hzを超えると視聴覚の同期・非同期弁別がほぼ不可能になることが示された。また同じ変調波形を用いたモダリティ内での同期・非同期弁別実験の結果から、この時間周波数の限界が、視覚、聴覚、どちらか片方のモダリティの末梢の時間応答の制約によるものではなく、より高次のメカニズムの性質を反映したものであることが示唆された。さらに、変調波形に正弦波、およびハイパスフィルタをかけた単一パルスを用いた実験の結果から、このメカニズムの特性が、単純な線形ローパスフィルタモデルでは説明できないことが示された。これらの結果は視聴覚の同期が、各モダリティの信号から抽出された、時間的にまばらな、目立った特徴の対応付けによって検出されているという仮説を支持している。また、視聴覚の同期が、比較的低次の注意資源をあまり必要としないメカニズムによって並列的に検出されているのか、それとももっと高次の注意資源を要するメカニズムによって逐次的に検出されているのかを探るため、視覚探索のパラダイムを用いた視聴覚同期検出課題を行って検討した。結果は逐次探索を示唆するもので、この結果もまた、視聴覚の同期性検出がより高次の、時間的に目立った特徴の対応付けにもとづいて行われるという仮説を支持するものである。
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Research Products
(2 results)