2007 Fiscal Year Annual Research Report
現代の若年層を取り巻く社会環境の変容に関する地理学的研究
Project/Area Number |
05J03371
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
杉山 和明 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 社会地理学 / 政治地理学 / 文化地理学 / 犯罪社会学 / 社会統制 / 若者 / 非行 / 政治過程 |
Research Abstract |
本研究の目的は、公共空間における若者の行動に対する社会からまなざしに着目し、青少年を取り巻く社会環境の変容がもたらす諸問題への行政と地域社会の対応を明らかにすることである。 前半期には、まず、事例研究として、1990年代後半以降の青少年の時間・空間行動規制、ならびに地域における犯罪対策と法整備の展開を考慮しつつ、大阪府、愛知県、東京都における諸集団による都市空間への監視活動の展開とその問題点を検討し、なかでも大阪府の事例について4月にサンフランシスコで開かれた国際学会(AAG)において発表を行った。 また、浜松圏の当該高校に通う生徒たちに対して以前行ったインタビューをもとに、かれらにとって相反する多義的な意味をもつ農村の場所感覚について検討し、大型小売店が相次いで進出し郊外化とスプロール化が進展する都市近郊農村の問題点について考察した。その成果を学術誌(地理科学学会『地理科学』)へ投稿し、現在、二度の査読を経て掲載に近づいている状況である。 後半期には、前半期に行った国際学会における発表をもとに、事例として、近年改正された大阪府青少年健全育成条例において強化された青少年による夜間外出禁止条項について検討し、ローカルな青少年の社会環境に影響を与える条例の改正が、防犯政策と緊密な関係にあり、新自由主義下のガバナンスの変容に連動していることを明らかにした。その成果は学術誌(大阪市立大学都市文化研究センター『都市文化研究』)に掲載された。 認識論、方法論の観点から、近年、日本の地理学関係の主要学会誌に様々な言語資料を中心的な分析対象とする研究が増加していることに鑑み、日本の地理学者による研究を学説史的な手法で詳細に吟味し、言説を対象とした研究の問題点を指摘するとともに今後の可能性を提示した論文が学術誌(日本地理学会『地理学評論』)に掲載された。
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Research Products
(5 results)