2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J03395
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
武政 誠 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 多糖類 / キサンタンガム / キシログルカン / ガラクトマンナン / 相乗効果 / PFG-NMR |
Research Abstract |
「多糖類間及び多糖-低分子間の相互作用の解明とその制御」を目的とし、サンプル作成を行った。サンプルとして、多様な分子間相互作用を示すことが知られている多糖類(キシログルカン、キサンタンガム、ガラクトマンナン等)を対象として、不純物の除去を行った。酵素、超音波処理、また分別沈殿を行い、異なる平均分子量を持った一連のサンプルを作成した。それらを用いて、多糖類間での会合体形成メカニズムを検討した。多糖類混合系におけるゲル化については、キサンタンガムとガラクトマンナン混合系をはじめとして、約40年間に渡り工業的にも広く利用され、300以上の論文が報告されてきたが、本年度に作成したサンプルを用いて、ゲル化温度や低温での弾性率等各種物性の分子量依存性を詳細に検討した結果、これまで提唱されたモデルのうち、最も支持を集めているモデル(スムースリージョンモデル)は完全に誤りであることを示した。特に、これまでゲル化する能力のないとされてきた、グアーガム及びフェヌグリークガムについても、分子量を適切に選択することにより、キサンタンガムとの混合によりゲル化が可能であることを見出し、多糖類の自己組織化手法の幅を広げた。 キシログルカンとポリフェノールとの混合系における両者の相互作用について検討した。ポリフェノールの化学構造によっては、キシログルカンに結合し、架橋剤として機能しゲル化に至らせうるが、カテキン類の場合ではガレート基がキシログルカンとの架橋に重要な役割を果たしていることを見出した。 ルンド大学(スウェーデン)へ渡航し、多糖類の混合系における会合体形成をPFG-NMRを用いてそれぞれの分子の併進拡散係数を独立に測定し、吸着量の評価と各々の物質の運動性を評価し、超分子構築のための基礎としての多糖類及び両親媒性物質との相互作用に関する知見を集積した。
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