2005 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の都市のストリートをめぐる実践・管理・表象の文化・社会地理学的研究
Project/Area Number |
05J03436
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山口 晋 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 都市のストリート / 実践・管理 / 文化政策 / 大阪・東京 |
Research Abstract |
まず、都市の公共空間としてのストリートにおいて近年、強化されつつある空間管理を都市再開発や政策との関わりから捉え返した。具体的には、大阪・湊町のOCATで活動するストリート・ダンサーを取り上げ、周辺の再開発によって建造環境が改変され、空間管理が強化される可能性を予察的に考察した。この一連の研究の成果については、Joint Workshop on Urbanity, Urban Change and Governance in Shanghai, Hong Kong and Osaka(於:大阪市立大学)で発表し、さらに、インパクト出版会から出版される論集『音の力』にも掲載された。次に、東京都の大道芸ライセンス制である「ヘブンアーティスト」事業について取り上げた。この研究は、事務局やアーティストなどへのインタヴューや資料収集を駆使して、東京都が公園や鉄道駅などの公共空間を囲い込んでいくプロセスやその背景となる東京都の文化政策などについて明らかにしていった。この研究から得られた新たな知見については、The 8th Asian Urbanization Conference(於:流通科学大学)で発表し、さらに「都市文化研究」誌の第7巻にも掲載された。 以上の研究が国際学会での成果発表や学術誌などへの論文掲載といった主要な研究成果である。それ以外のものとしては、戦後から現代までの都市のストリートに関する文化史的研究として、東京都の歩行者天国をめぐる管理の動きについて地理科学学会(於:広島大学)で発表した。さらに、戦後混乱期の大阪における労働・社会運動を警察がどのように取り締まり、運動を特定の場所に誘導していったか、ということを人文地理学会(於:九州大学)で発表した。
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Research Products
(2 results)