2006 Fiscal Year Annual Research Report
AD/HDの現代的位相--当事者・関係者の相互作用をめぐって--
Project/Area Number |
05J03437
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐々木 洋子 大阪市立大学, 大学院 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 医療化 / AD / HD(注意欠陥 / 多動性障害) / セルフヘルプ・グループ / 親の会 |
Research Abstract |
今年度の研究による具体的成果は、以下の三点が挙げられる。 本研究テーマの理論的関心の基礎となる「医療化」の事例の一つである「慢性疲労症候群(CFS)」について、日本における治療体制の制度化を中心に「疲労の医療化--日本における「慢性疲労症候群」の医療化」においてまとめている。同様に本研究テーマであるAD/HDの日本における医療化ならびにその制度化について「逸脱の医療化」の観点からまとめた「AD/HDの医療化」が森田洋司・進藤雄三編『医療化のポリティクス--近代医療の地平を問う--』において出版された。さらに、前年度の学会報告をふまえ、AD/HDの子どもを持つ母親の診断に伴う意味世界の変容、とりわけ診断を受けることで陥るジレンマに着目し、分析した「子どもの医療化をめぐる母親のジレンマ--AD/HDの診断を事例に--」を『市大社会学』No.8において発表する(投稿中)。 また、本年度の研究実施状況としては、研究計画に基づき、医療化論ならびにAD/HD、薬物療法に関する文献資料の収集と検討を行った。 さらにフィールドワークとして、AD/HDの親の会、成人当事者によるセルフヘルプ・グループへの参与観察を継続して行っている。とくにAD/HDの子どもを持つ母親の時間的経過に伴う意味世界の変容を明らかにすることを目的として、2003年度に行ったインタビュー調査の対象者に対し、再度インタビュー調査を行い、現在分析中である。これらの成果の一部は、第33回保健医療社会学会(2007年5月開催)において報告する予定である。
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Research Products
(2 results)