2005 Fiscal Year Annual Research Report
AD/HDの現代的位相-当事者・関係者の相互作用をめぐって-
Project/Area Number |
05J03437
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐々木 洋子 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 医療化 / AD / HD(注意欠陥 / 多動性障害) / セルフヘルプ・グループ / 逸脱 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に基づき、医療化論ならびにAD/HDに関する文献資料の収集と検討を行った。また、次年度より行う予定であるインタビュー調査に備え、調査法に関する検討を行った。 さらに、当事者・関係者の意味世界について考察するため、AD/HDの子どもをもつ親が主催するAD/HD支援の会、ならびに成人AD/HD当事者によるセルフヘルプ・グループへの参与観察とインタビューを行った。具体的には、関西のあるAD/HD親の会の例会に月1度参加、同じく関西の成人AD/HD当事者によるセルフヘルプ・グループの例会に月1度参加している。特に、成人AD/HDの当事者に対しては、インタビューを依頼し、承諾をいただいたため、本年2月よりインタビュー調査を始め、現在継続中である。団体の詳細やインタビュー調査の内容についての詳細はプライバシーの関係上、公表はできないが、これらの調査活動で得たデータをもとに来年度10月に開催予定の日本社会学会などで報告予定である。 今年度中の具体的な研究成果としては、2005年9月に開催された日本社会病理学会と10月に開催された日本社会学会において、前年度までに得られたデータを基に報告を行った。 また、2006年中に学文社から刊行予定のシリーズ社会問題研究の最前線Iの『医療化のポリティクス--近代医療の地平を問う』に、「AD/HDと医療化」として寄稿し、校正中である。内容としては、「逸脱の医療化」の観点より、日本におけるAD/HDの制度化に関する考察を行った。
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