2006 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母における前胞子膜形成の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
05J03452
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 道子 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分裂酵母 / 胞子形成 / スピンドル極体 / 前胞子膜 / GFP |
Research Abstract |
前胞子膜は胞子形成時の主要な膜成分でありながら、その膜の由来、構成成分、膜小胞との融合に関わる因子はほとんど明らかにされていない。 前胞子膜形成開始はスピンドル極体SPBより開始する。これまで、私はSPBに局在し、前胞子膜と直接相互作用する可能性があるタンパク質Spo7を取得した。今年度は(1)Spo7に存在し、脂質と結合する可能性があるPHドメインとGSTと融合タンパク質を作製し、様々な脂質との結合をみたところ、ホスファチジルイノシトール3リン酸(PI3)と有意な結合がみられた。(2)PHドメインを削ったSpo7の性質をみたところ、前胞子膜の形成開始は起こったが、異常な胞子が見られた。(3)Spo7は前胞子膜の先端に局在し、胞子の形態形成に関与するMeu14との相互作用が見られた。PI3を合成するpik3の破壊株では形の異常な胞子が見られることが知られている。よって、胞子形成時にPI3の量が増加し、Spo7と結合、さらにSpo7がMeu14と相互作用して、前胞子膜形成の開始を行うというモデルをたてることができた。
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