2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質安定性を指標とした新規スクリーニング系による細胞内ヘム代謝・輸送系の解明
Project/Area Number |
05J03457
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
菱川 恭子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヘム / ユビキチン-プロテアソーム系 / スクリーニング / iron regulatory protein 2 (IRP2) |
Research Abstract |
本年度はIRP2(iron regulatory protein 2)と相互作用する蛋白質の精製、同定を試みた。IRP2と相互作用する蛋白質の中には、私の研究課題「細胞内ヘム代謝・輸送系の解明」に関連したIRP2にヘムを付加する蛋白質も含まれると考えられる。 まずHeLaS3細胞にTAP(tandem affinity purification)タグを付けたIRP2を安定に発現させた株を取得した。この細胞のlysateから、非特異的な結合を極力抑えるためにアフィニティ精製と免疫沈降を組み合わせてIRP2とその結合蛋白質を精製した。結合蛋白質の同定にはペプチドマスフィンガープリント法を用いた。解析の結果、13のIRP2と結合する蛋白質の候補を得た。この中にはデータベースの情報からユビキチンリガーゼと考えられる蛋白質が存在し、Cos-7細胞にIRP2とこの新規ユビキチンリガーゼを共発現させると結合することを確認した。残り12の蛋白質についてもデータベース検索を行ったが、既存の情報からはIRP2にヘムを付加する機能を持つかどうかを判断できなかった。 今回IRP2との結合が確認されたユビキチンリガーゼがIRP2のヘム依存性分解に寄与するものであれば、今後、出芽酵母を用いたヘム代謝・輸送系関連蛋白質のスクリーニング系に生かせる可能性がある。従って、次年度は新規ユビキチンリガーゼがIRP2のヘム依存性分解に寄与する度合いを検討していこうと考えている。また、上述の残り12の蛋白質について、実際にヘムに結合するのかどうかを調べる必要があると考えている。
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Research Products
(1 results)