2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質安定性を指標とした新規スクリーニング系による細胞内ヘム代謝・輸送系の解明
Project/Area Number |
05J03457
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
菱川 恭子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヘム / ユビキチン-プロテアソーム系 / スクリーニング / IRP2(iron regulatory protein 2) |
Research Abstract |
昨年度にペプチドマスフィンガープリント解析(PMF解析)により、IRP2と相互作用する13の蛋白質の候補を得ていた。本年度は、データベース検索を行ったうえで、IRP2のヘム依存性分解に関わる可能性が考えられた2つの蛋白質、FBXとCIAに焦点を絞り解析を進めてきた。 FBX:まずFBXを特異的に認識するポリクローナル抗体を作製し、内在性FBXの検出を可能にした。そのうえで、PMF解析の結果を確認するために免疫沈降実験を行い、IRP2に内在性FBXが実際に結合し得ることを明らかにした。FBXはF box蛋白質に属し、複合体型ユビキチンリガーゼを形成する事が予想された。実際にFBXを細胞に遺伝子導入し調べたところ、細胞内でユビキチンリガーゼ複合体を形成することが分かった。現在、この新規ユビキチンリガーゼがIRP2のヘム依存的な分解に関わる主要なユビキチンリガーゼかどうかをRNA干渉法とFBXの優性阻害体の過剰発現によって調べている。 CIA:CIAは出芽酵母でのcytosolic Fe-S cluster assembly machinery (CIA machinery)複合体の構成要素とよく似た蛋白質である。CIAもまた哺乳類細胞内で同様の働き、すなわち鉄硫黄錯体やヘムのような補欠分子族の形成、代謝に関わることが予測される。本年度はCIAとIRP2の結合の確認、内在性CIAを認識するポリクローナル抗体の作製を行った。次年度は出芽酵母と哺乳類の培養細胞の両方を用いてCIAのヘム結合蛋白質全般に対する作用を検討する予定である。
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