2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアフィニティを利用したタンパク質吸着特性の解析と新規定化法の開発
Project/Area Number |
05J03552
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
熊田 陽一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | バイオアフィニティ / タンパク質の配向制御 / ポリスチレン / ポリスチレン親和性ペプチド / 酵素免疫測定 / 抗原-抗体反応 / タンパク質相互作用 / プロテインチップ |
Research Abstract |
本研究では、タンパク質の固体表面への吸着メカニズムを明らかにし、その吸着量、安定性、機能性が目的に応じて精密に制御されたプロテインチップを創生することを目的としている。本研究では、ランダムペプチド提示大腸菌ライブラリを用いて親水性ポリスチレンプレートに対して親和的に相互作用するペプチド(PS-tag)をスクリーニングし、それを用いて酵素や抗体のポリスチレン表面への部位特異的な固定化を検討した。その結果、スクリーニングされたPS-tagはポリスチレンラテックスやポリスチレンプレートに対して高い結合親和性を示した。また、PS-tagを有するタンパク質は配向よく、かつ高い生理活性を保持したまま安定に固定化された。ポリスチレン担体は抗体を用いて微量検体の検出および定量を行う免疫測定において汎用的にも用いられており、その基本原理は、近年、プロテインチップを用いるバイオアッセイなどにも応用されている。したがって、PS-tag標識タンパク質のこれらへの応用は、これまでの従来の分析技術における汎用性を損なわずに、感度の上昇および操作の簡便化が期待できる。本スクリーニング法を用いてガラスや金属表面など、他の固体表面に対して多様な機能性タンパク質を高密度に、安定に、かつ配向性良く固定化できるアフィニティペプチドをスクリーニングできれば、精密に制御された機能性材料として、バイオプロセスや医療診断、創薬、食品工学や、精密な配向制御が特に必要な電子デバイス機器の開発にも大きく貢献でき、生体高分子材料の新しい可能性を開拓することにも繋がる。
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Research Products
(1 results)