2006 Fiscal Year Annual Research Report
光化学系I複合体の分子集合装置の精製ならびにその機能と構造の解析
Project/Area Number |
05J03605
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小澤 真一郎 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光合成 / 光化学系I / 分子集合 / Ycf4 / 緑藻クラミドモナス / アフィニティクロマトグラフィ |
Research Abstract |
本研究では、緑藻クラミドモナスを材料として、系I複合体の分子集合に必須であるYcf4を含む大きな複合体(Ycf4複合体)の生化学的解析を進め、系I複合体の分子集合装置であることを証明し、系I複合体が分子集合する過程を明確に示す。 1、Ycf4複合体をアフィニティーカラムで精製すると系I複合体のサブユニットはPsaFだけであった。系I複合体を取り込む過程を明らかにするために、他の系I複合体のサブユニットを含む分子集合装置を野生株のチラコイド膜からより穏和な条件で、ショ糖密度勾配超遠心分離とイオン交換カラムクロマトグラフィーを駆使し、精製した。精製された標品はPsaAタンパク質を含み、分子集合の極めて初期段階の複合体を精製したとみられる。現在、英国のJon Nieldとの共同研究によって、電子顕微鏡を用いたsingle particle analysisによる構造解析と醗した精製条件の最適化を行っている。 2、系I複合体コアの部分から周辺部のサブユニットへと分子集合する。前年は系I複合体の分子集合中間体を同定したが、本年はさらに詳細なサブユニット解析を行った。PsaG, H, I, Lサブユニットに対する抗体を新たに作成し、分子集合をウェスタン解析した。分子集合中間体はPsaG, Kが結合していないためにLHCIとの結合が緩くなり、PsaFが精製過程で脱落する。しかしながらPsaL, I, HはLHCIとは反対側に存在するために分子集合中間体、成熟型いずれも系I複合体とより近い側のものが強く結合していた。前年の分子集合中間体の同定の内容と併せた論文を現在執筆中であり、まもなく投稿する。
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Research Products
(1 results)