2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ黄体内局所調節因子としてのプロラクチンとステロイドホルモンに関する研究
Project/Area Number |
05J03606
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柴谷 雅美 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウシ / 黄体 / プロラクチン / プロラクチンレセプター / 発情周期 / プロジェステロン / プロスタグランディンF2α / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
【目的】プロラクチン(PRL)は、主に下垂体前葉において産生されるが、ヒト卵巣においてPRLの合成分泌されることが報告されており、卵巣がPRL産生源の一つであることが示唆されている。また、げっ歯類においてPRLは主要な黄体機能維持因子として知られているが、ウシ黄体におけるPRLの生理的役割は全く明らかにされていない。本研究ではウシ黄体におけるPRL産生ならびに生理的役割を明らかにする目的で、以下の項目について検討を行った。 【研究項目および方法】1)ウシ黄体を初期(排卵後2-3日)、中期(排卵後8-12日)、後期(排卵後15-17日)および退行期(排卵後19-21)に分類し、組織におけるPRL、long PRLR(l-PRLR)ならびにshort PRLR(s-PRLR)mRNA発現量の変化を半定量的RT-PCRにより解析した。2)初期、中期および退行期の黄体におけるPRLタンパク発現の局在を免疫組織化学法により検討した。3)培養中期黄体細胞にPRL(100、200ng/ml)を添加し、P4ならびにPGF2α濃度をEIAにより測定した。 【結果】1)ウシ黄体においてPRL、l-PRLRおよびs-PRLR mRNAは発情周期を通じて認められた。また、PRL mRNA発現量およびs-PRLR mRNA発現量に対するl-PRLR mRNA発現量の比は、退行期において他の周期と比較して低かった。2)黄体組織におけるPRLタンパク発現は中期および退行において認められ、血管内皮細胞および平滑筋細胞に局在していることが明らかとなった。3)黄体細胞のP4およびPGF2α分泌に及ぼすPRLの影響は認められなかった。以上より、ウシ黄体はPRL産生源の一つであることが示された。 この成果は、米国の専門誌であるMolecular Reproduction and Developmentに掲載された。
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Research Products
(1 results)