2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ黄体内局所調節因子としてのプロラクチンとステロイドホルモンに関する研究
Project/Area Number |
05J03606
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柴谷 雅美 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウシ / 黄体 / エストロジェン / エストロジェンレセプター / プロスラグランディンF2α / アロマターゼ |
Research Abstract |
【目的】我々はestradiol 17β(E)が卵胞だけでなく,ウシ黄体においても産生されることを報告した。ラット及びブタの黄体においてprostaglandin F2α(PGF)がE合成酵素(aromatase : arom)及びE receptor(ER)発現を調節することが知られているが,ウシ黄体おけるE産生調節機構ならびにER発現調節機構は明らかにされていない。本研究では,E産生能ならびにER発現の調節機構を解明する目的で,以下の研究を行った。 【方法】1)発情周期各期のウシ黄体におけるERs(ERα,ERβ)タンパク発現量及びERα/ERβ比をWestern blot法により調べた。2)中期黄体細胞に,PGF(10^<-8>-10^<-6>M)を添加し24時間培養後,ERs及びarom mRNA発現をRT-PCRにより検討した。3)黄体細胞にPGF(10^<-6>M)を添加し2-24時間培養後,ERs及びarom mRNA発現をRT-PCRにより検討した。 【結果および考察】1)発情周期を通じたERβタンパク発現量の有意な変化は認められなかったが,ERαタンパク発現及びERα/ERβ比は退行期において他の周期と比較して有意に低かった。2)ERs及びarom mRNA発現はPGFにより減少した。3)PGFは24時間の培養において黄体細胞のERαならびにarom mRNA発現を抑制し,6時間以降の培養においてERβ mRNA発現を抑制した。以上の結果から,PGFがウシ黄体におけるE産生能及びER発現調節因子の一つである可能性が示された。また,初期から後期にかけてERα/ERβ比の高いことからERαが黄体機能維持に関与している可能性が考えられる。 この成果は、日本繁殖生物学会(平成18年9月,名古屋)において発表するとともに、現在、生殖科学の専門誌に投稿するための準備中である。
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Research Products
(1 results)