2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ黄体内局所調節因子としてのプロラクチンとステロイドホルモンに関する研究
Project/Area Number |
05J03606
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柴谷 雅美 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウシ / 黄体 / エストロジェンレセプター / プロスラグランディンF2α / 腫瘍壊死因子 / インターフェロンγ |
Research Abstract |
【目的】多くの哺乳動物において、黄体は様々な生理活性物質を合成分泌し、これらの物質によって黄体の機能が局所的に制御されている可能性が示されているが、ウシ黄体におけるエストロジェン(E)の作用は完全には明らかにされていない。本研究では、ウシ黄体におけるEの生理的役割を明らかにする目的で、以下の実験を実施した。 【方法】1)発情周期各期のウシ黄体におけるERs(ERα,ERβ)タンパク発現量及びERα/ERβ比をウエスタンブロット法(WB)により調べた。2)中期黄体細胞に,PGF2α(10^<-8>-10^<-6>M)または腫瘍壊死因子(TNFα;0.0145-1.45nM)及びインターフェロンγ(IFNγ;0.0125-1.25nM)を添加し24時間培養後、ERs mRNA及びERsタンパク発現をRT-PCRおよびWBにより検討した。 【結果及び考察】1)ERαタンパク発現は初期及び中期において高く、ERβ/ERα比は退行期において高かった。2)TNFαは黄体細胞のERα及びERβmRNA発現を抑制し、IFNγはERβmRNA発現及びERβ/ERαmRNA比を抑制した。以上より、EはERαを介して黄体機能の維持に関与し、ERβを介して黄体退行に関与している可能性が考えられる。また、TNFαならびにIFNγは黄体細胞のERβ/ERα発現量の比を減少させることにより黄体機能の維持に役割を果たしている可能性が示唆された。 この成果は、第40回米国生殖生物学会(平成19年7月、サンアントニオ,USA)において発表するとともに、生殖科学の専門誌であるJournal of Reproduction and Developmentに公表した。
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Research Products
(4 results)