2007 Fiscal Year Annual Research Report
核酸の構造安定性に及ぼすモレキュラークラウディング効果の熱力学的定量化
Project/Area Number |
05J03648
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
狩俣 寿枝 Konan University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | モレキュラークラウディング / 核酸構造安定性 / データベース / 水和構造 / 機能性核酸 / DNAワイヤー |
Research Abstract |
本研究は、擬細胞環境(モレキュラークラウディング環境)下での核酸(DNA及びRNA)の構造や安定性に及ぼす相互作用を定量的に解析し、核酸構造安定性のデータベースを構築することを目的としている。このデータベースは細胞内の核酸構造の解明や遺伝子発現制御機構の解明の糸口となるだけでなく、細胞内で利用可能な機能性核酸の分子設計にも有用であると期待できる。 本年度の研究では、モレキュラークラウディングが核酸の1本鎖、2本鎖、3本鎖、4本鎖の構造と安定性に及ぼす影響について検討した。その結果、核酸の構造に関わらず、構造を形成する際に水分子を取り込む核酸構造はモレキュラークラウディング環境下で不安定化し、放出する構造は安定化するという規則性を見出した(Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acid,26,589(2007).など)。また、核酸構造安定性に及ぼすモレキュラークラウディングの効果は、溶液のカチオン濃度によって全く異なることも明らかにした(Bull. Chem. Soc. Jpn.,80,5919(2007))。 さらに、構築したデータベースをもとにして、カチオンの有無に応答して構造を形成するDNAワイヤーを構築した(J. am. Chem. Soc.,129,5919(2007).など)。このように本研究により構築されたデータベースは、細胞内の核酸構造の予測法や機能性核酸の設計法の確立に役立つと期待できる。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Conformation and the sodium ion condensation on DNA and RNA structures in the presence of a neutral cosolute as a mimic of the intracellular medi2008
Author(s)
S. Nakano, L. Wu, H. Oka, H. T. Karimata, T. Kirihata, Y. Sato, S. Fujii, H. Sakai, M. Kuwahara, H. Sawai, and N. Sugimoto
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Journal Title
Peer Reviewed
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