2005 Fiscal Year Annual Research Report
化合物半導体ナノ粒子をユニットとした三次元構造体の構築およびその光学特性制御
Project/Area Number |
05J03649
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
鶴岡 孝章 甲南大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 半導体ナノ粒子 / 配位子交換反応 / 発光量子収率 / ヒドロキシル基 |
Research Abstract |
本年度は,半導体ナノ粒子三次元構造体の構築の実現に向け,粒子表面に部分的にヒドロキシル基を導入した半導体ナノ粒子の調製ならびにその発光特性について検討した結果,以下に示すような研究成果が得られた。 トリオクチルフォスフィンオキシドにて保護したCdSe/ZnSeナノ粒子を調製し,配位子交換反応によるデカンチオール分子の導入を行った。赤外吸収スペクトル測定によりトリオクチルフォスフィンオキシドとデカンチオール分子が交換していることが明らかとなった。また,元素分析により各有機分子保護ナノ粒子に含まれるリン原子および硫黄原子含有量を系統的に評価することにより,配位子交換反応速度を明らかにした他,各反応時間におけるナノ粒子の発光スペクトル測定により反応時間の増大に伴い,発光量子収率が徐々に低下することが明らかとなった。次に,同様の配位子交換反応を利用し,ナノ粒子表面にヒドロキシル基(メルカプトウンデカノール)を部分的に導入することを試みた。赤外吸収スペクトル測定により粒子表面に部分的にヒドロキシル基を導入できることが確認された。また,反応時間や添加する分子の量によりヒドロキシル基導入率を制御することが可能であり,さまざまな溶媒にナノ粒子を分散させることに成功した。この交換反応の際に,発光量子収率は変化しないことを確認した。これらの結果は,保護分子が半導体ナノ粒子の発光効率に及ぼす影響について重要な情報を与えるものであった。 助成により,平成17年度に得られた研究成果をもとに,国内外において発表を行い,Trans.Mater.Res.Soc.Jpn誌に論文発表した。
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Research Products
(1 results)