2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J03726
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
村松 裕子 (大川 裕子) Gakushuin University, 文学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 中国 / 植物 / 水利・灌漑 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国南方(長江流域)の地域開発が、自然環境とどのように関わりながら進展したのかを考察することである。とくに、植物に対する人々の認識、利用方法の分析を通して、地域開発、地域文化を検討することを目指すものである。 本年度は長江流域における自然環境と開発の問題を考える上での基礎的研究となる論考、「戦国時代の灌漑事業をめぐる研究の現状と課題」を執筆し、地域開発史のカギとなる水利灌漑事業をめぐる問題点と課題を整理した。2008年1月には中国・上海へ赴き、復旦大学歴史地理研究中心において中国北方地区・南方地区それぞれの開発史を専門的に研究する歴史地理学者との学術交流を行った。このような機会がもてたことは、最終年度の研究・現地調査を行ううえで大きな意義があった。また、今年度は本研究課題との比較研究として、漢代北方辺境地域を対象とした考察を行い、論文「漢代北方辺境と大同盆地」を執筆した。辺境防衛に特化した北方地区は、自然地理環境は勿論のこと、開発のあり方も南方とは全く異なっている。南と北という異なる地域における開発のあり方を比較することにより、中国の長江流域における自然環境と開発の特異性がより明確になったと思われる。以上のように、本年度は、長江流域の開発を考えるための基礎研究・比較研究に重点をおいて、研究を進めた。山椒等の植物を通した開発の具体的分析については、来年度の調査を通して行う予定である。
|
Research Products
(3 results)