2005 Fiscal Year Annual Research Report
トラフグを用いた魚類B細胞分化制御システムのモデル構築
Project/Area Number |
05J03770
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
大谷 真紀 福井県立大学, 生物資源学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | B細胞 / 形質細胞 / トラフグ / 転写調節因子 / クローニング |
Research Abstract |
(1)哺乳類B細胞の分化制御機構に関与する遺伝子情報を元に、トラフグのゲノムデータベースを用いてトラフグにおける相同遺伝子の探索を行った。その結果、B細胞分化制御に関与していることが予測される重要な因子の遺伝子計12個のクローニングに成功した。得られた遺伝子と哺乳類相同遺伝子との相同性は非常に高く、予測されるタンパク質の一次配列には、機能的モチーフが全て存在していた。 (2)B細胞の後期分化過程を制御する転写因子群の機能解析を行った。B細胞の後期分化、最終分化の制御に中心的な役割を担う転写抑制因子BCL-6,Blimp-1に注目し、哺乳類細胞と魚類細胞株を用いたin vitroでの転写抑制活性を調べた結果、トラフグのBCL-6,Blimp-1は哺乳類細胞株、魚類細胞株の両方で転写抑制因子として作用することが明らかとなった。 (3)分化制御に関与する転写因子はB細胞の分化段階特異的に発現する。そこで、トラフグのリンパ組織(腎臓、脾臓、胸腺、末梢血)由来の白血球分画をB細胞分画と非B細胞分画に分類し、B細胞集団における分化段階構成に違いが見られるかどうかを調べた。その結果、腎臓由来非B細胞分画には初期分化B細胞が存在し、腎臓、脾臓、末梢血由来のB細胞分画には後期分化以降のB細胞集団が存在することが示唆された。 (4)転写調節因子群が機能していることを証明するためには、それらの因子が特定のヌクレオチド配列に結合するかどうかを調べなければならない。その方法としてクロマチン免疫沈降法やゲルシフトアッセイが用いられる。その方法を行なうためには調節因子に対する抗体を用いなければならない。そこで、特にB細胞の後期分化、最終分化を制御する転写因子(BCL-6,Pax5,Blimp-1,XBP-1)と、Blimp-1の補助因子(TLE-3)の組換えタンパク質を、大腸菌発現系を用いて作成中である。
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Research Products
(3 results)