2005 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア地域における19世紀気象観測記録の補正均質化とその気候変動研究への応用
Project/Area Number |
05J03855
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
財城 真寿美 神戸大学, 国際文化学部, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 気候変動 / 気象観測記録 / 補正均質化 / 東アジア / オランダ・イギリス・中国 / 19世紀 / データベース |
Research Abstract |
1.19世紀日本における気象データの整備 データの補正均質化・品質管理が完了した東京・横浜・大阪・神戸・長崎の気温・気圧データを,学術論文において発表すると同時に,イギリス・イーストアングリア大学の気候研究所のウェブサイトにて,データの一般頒布を開始した. 東京・横浜・大阪・神戸・長崎の気象観測記録に含まれる降水量データのデジタル化を開始した.日データが得られる長崎のデータに関しては,古日記に記載された天候記録の降水頻度と比較することによって,データの正確性を検証した.その結果,微雨に関しては正確に記載・計測されていない傾向があり,この原因が機器計測の不備によるものなのか,古日記が記載された場所との地理的な違いによるものなのかを検討する必要がある 沖縄にて,19世紀の気象観測記録の史料調査を行った.その結果,18世紀末の沖縄を含む,日本の沿岸部において,イギリス人によって観測された気温と気圧の観測記録の所在が明らかとなった.18世紀に日本で行われた気象観測は限られており,今回の史料は気象学史的にも有意なものであるといえる. 2.19世紀東アジアにおける気象データの整備 イギリス気象庁およびイーストアングリア大学において,1840年代以降の北京における日データの所在を確認した.今後は,詳細なデータの入力とその解析を開始する. 3.19世紀の東アジア地域に気象データを用いた長期気候グリッドデータの作成とその解析 19世紀日本の気温データを使用して,1850年代以降の全球気温グリッドデータの作成を行った.データの信頼性の問題から,1850年以前のデータ作成は,今後の課題としている.現在,気温トレンドの地域的なパターンの考察を行っている.気圧データは,イギリス気象庁の全球気圧グリッドデータHadSLP2に使用される予定である.
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Research Products
(3 results)