2007 Fiscal Year Annual Research Report
運動と暑熱トレーニングが反射性循環調節に及ぼす影響
Project/Area Number |
05J03884
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
一之瀬 真志 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 運動トレーニング / 循環調節 / 血圧 / 末梢血管抵抗 / 末梢血流量 / 局所性血管調節 / 筋代謝受容器反射 / 動脈圧受容器反射 |
Research Abstract |
末梢血管抵抗の調節は,運動時や暑熱環境などの様々なストレス下における血圧や末梢血流量の調節に極めて重要である.本研究は,末梢血管抵抗が自発性に変動するという特性に着目し,末梢血管抵抗の変動が交感神経活動の増加や局所性調節によってどのように影響されるかを調べ,さらにこれらが,運動や暑熱トレーニングによってどのように変化するかを検討する。本年度では,以下の課題1,2について検討した. 課題1,暑熱下運動トレーニングが末梢血管抵抗の自発性変動に及ぼす影響 暑熱下運動トレーニングは末梢血管調節や自律神経活動に影響することが知られている.そこで,短期間(6日間)の暑熱下(気温37℃,湿度50%)での運動トレーニング(20分間の最大酸素摂取量の50%での自転車運動を10分間の休憩を挟んで4回繰り返す)が常温下安静時における上肢の末梢血管抵抗変動に及ぼす影響を検討した.暑熱下運動トレーニングによって,1)安静時心拍数の低下,体温上昇に対する皮膚の血管拡張反応の向上,および最大酸素摂取量の増加がみられたが,2)末梢血管変動には有意な変化はみられなかった.このことから,短期間の暑熱下運動トレーニングは末梢血管抵抗変動には影響しないことが示唆された. 課題2.筋代謝受容器反射刺激時における動脈圧受容器反射機能変化が循環調節に及ぼす影響. 心拍出量を連続的に測定可能な動物モデル(イヌ)を用いてbeat-to-beatの心拍出量調節を定量化する手法を開発し,これが,動的運動時および筋代謝受容器反射刺激時にどのように変化するかを検討した.その結果,1)運動強度の増加にともなって心拍数調節と心拍出量調節の反応性が低下すること,また2)筋代謝受容器刺激は心拍数調節の反応性を低下するが,心拍出量調節の反応性には影響しないことが明らかになった.このような変化は運動時の血圧調節メカニズムの一つであると考えられる.
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Research Products
(9 results)