2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動と暑熱トレーニングが反謝性循環調節に及ぼす影響
Project/Area Number |
05J03884
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
一之瀬 真志 神戸大学, 発達科学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 運動トレーニング / 循環調節 / 血圧 / 末梢血管抵抗 / 末梢血流量 / 局所性血管調節 / 筋代謝受容器反射 / 動脈圧受容器反射 |
Research Abstract |
末梢血管抵抗の調節は,運動時や暑熱環境などの様々なストレス下における血圧や末梢血流量の調節に極めて重要である.しかし,これらの調節に対する反射性循環調節による作用や,その作用が運動や暑熱トレーニングによってどのように変化するかは明らかではない.本研究は,末梢血管抵抗が自発性に変動するという特性に着目し,末梢血管抵抗の変動が交感神経活動の増加や局所性調節によってどのように影響されるかを調べ,さらにこれらが,運動や暑熱トレーニングによってどのように変化するかを検討する。本年度では,実験課題1)末梢血管抵抗の自発性変動に関する基礎的データの収集および分析法の確立,実験課題2)交感神経活動亢進が末梢血管抵抗の自発性変動に及ぼす影響について研究を実施した. 実験課題1. FFT法により安静時の大腿動脈血管抵抗変動を定量化することで,血管抵抗変動にはおよそ0.15Hz以下の低周波数成分と呼吸頻度と対応したおよそ0.2〜0.35Hzの高周波数成分が多く含まれることを明らかした。さらに,周波数伝達関数を用いて血圧変化に対する末梢血管応答を検討し,約0.2Hz以下の周波数帯域において末梢血管抵抗はおよそ1.5秒遅れて血圧の変化を追従していることを明らかにした. 実験課題2. 交感神経活動が大きく増加する掌握運動後の前腕阻血時(筋代謝受容器刺激時)に大腿動脈血管抵抗の自発性変動がどのように変化するかについて検討した.その結果,筋代謝受容器刺激時には、安静状態と比較してi)末梢血流量および末梢血管抵抗の低周波数の変動が増加すること,またii)低周波数域において,血圧変化に対する末梢血管応答が増大することが明らかになった.このことから,筋代謝受容器が働き交感神経活動が亢進する高強度運動時などでは,上記メカニズムが血圧や末梢血流量調節に関与することが示唆された.
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Research Products
(5 results)