2006 Fiscal Year Annual Research Report
超微小試料観測を可能にするカンチレバーを用いた超高感度磁気光学測定法の開発
Project/Area Number |
05J03937
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木俣 基 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 磁気光学測定 / ESR / マイクロカンチレバー |
Research Abstract |
昨年度はカンチレバーを用いて磁気光学共鳴(サイクロトロン共鳴:CR, Periodic Orbit Resonance : POR)を検出するために以前から開発を行っていたカンチレバーを用いた電子スピン共鳴(ESR)装置の高感度化を定常磁場を用いて行った.その結果,照射電磁波を振幅変調することが今のところ最も有効であることが明らかになった.また振幅変調を用いた方法は,金属特有のdHvA振動の効果を大幅に抑制できると期待され,本年度はその方法を用いて磁気光学共鳴の検出を目指して測定を行った. まず,測定方法の最適化を目指して,定常磁場中における測定を行ったが,測定感度の範囲内では磁気光学共鳴の検出には至らなかった.試料は既に空洞共振器を用いた測定でPORの観測がなされている,有機導体の微小結晶を用いた.信号の検出に至らなかった原因は,信号強度が弱すぎる事がまず第一に考えられ,今後は信号強度をさらに大きくする必要があると考えられる.信号強度を増大させる方法としては,試料に照射する電磁波強度の増大や,電磁波の振幅変調の周波数をカンチレバーの固有振動数に近づける事等が考えられる.前者は,集光ホーンの改良やレンズの使用など,光学系をさらに最適化することである程度の改善が期待される.後者に関しては,電磁波の振幅変調をどのように行うかという事が問題であるが,現在光源として用いているガン発振器に内蔵の変調機構では数kHz程度までの変調が限界であり(カンチレバーの固有振動数は数十〜数百kHz),それ以上の周波数での変調にはチョッパーやピエゾ素子を用いた別の変調機構が必要であると考えられる.
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Research Products
(5 results)