2005 Fiscal Year Annual Research Report
超微小試料観測を可能にするカンチレバーを用いた超高感度磁気光学測定法の開発
Project/Area Number |
05J03937
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木俣 基 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 磁気光学測定 / ESR / マイクロカンチレバー |
Research Abstract |
今年度は現在のカンチレバーを用いたESR用測定装置の感度を上げ,磁気光学測定に応用するための装置改良を行うことを目的とした.ESRの感度を上げることはそのまま磁気光学測定への応用につながるため,今回はESR信号を感度良く検出することを目指す. 感度を向上させる方法としては,基本的にノイズを軽減することと信号を大きく取り出すことの二つの方針が考えられる.ノイズを軽減する方法としては液体ヘリウムにカンチレバーが直接浸らないようにし,パルス磁場発生時に生じる振動ノイズを軽減することを試みた.これにより振動ノイズを半分程度に軽減することができた.また信号を大きく取り出す方法としては,照射する電磁波に振幅変調をかけることが今のところ最も有効である.この測定にはロックイン検出を用いるため現在は定常磁場中で行っているが,原理的にはパルス磁場中で高周波ロックインを用いることでも可能でありパルス磁場への応用が期待できる.また,振幅変調の周波数をカンチレバーの固有振動数に近づけることでさらに信号強度を大きくすることができると考えられる.さらにこの方法は,試料の磁化の変化のうち電磁波に応答する部分(現在の測定に関してはESR)のみを取り出すことができるため,磁気光学効果を検出する場合には非常に有利であることが明らかになった.特に強磁場中で金属の測定を行う際にはドハース-ファンアルフェン効果による磁気トルクの振動が磁気光学効果(例えばサイクロトロン共鳴)を検出する際の一つの問題になると考えられるが,電磁波を振幅変調することによってドハース効果による振動を大幅に抑えることができると考えられる.
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Research Products
(5 results)