2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J03983
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 史典 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パンコムギ / 低温・凍結耐性 / ABA / Cor / Lea遺伝子群 / 転写因子 |
Research Abstract |
1.パンコムギのABA依存的な低温応答機構を明らかにするため、低温応答性転写因子とABA応答性Oor/Lea遺伝子群を用いて実験を行った。 (1)ABA応答性転写因子(WAdi5、Wlip19)の過剰発現形質転換体を作出した。 (2)既に作出済みの転写因子(Wcbf2、Wdreb2)過剰発現形質転換体と、Cor/Leaプロモーター::GUS融合遺伝子を導入した形質転換体との交配後代を用いて、in vivoでの転写因子の機能解析を行った。その結果、WCBF2はWdhn13とWrab17を、WDREB2はWdhn13、Wrab17、Wrab18、Wrab19の発現を制御することが示された。 (3)WABI5およびWLIP19とCor/Lea遺伝子群との関係を調べるために、トランジェントアツセイを行った。その結果、WABI5はWdhn13、Wrab18、Wrab19を、WLIP19はWdhn13、Wrab17、Wrab18、Wrab19の発現を調節することが示唆された。 2.低温耐性QTL解析を行うため、98座位のフレームマップ作成用分子マーカーを選抜した。 3.ABA低感受性突然変異体(EH47-1)を用いて、低温・凍結耐性におけるABAの役割を調べた。 (1)幼苗のABA感受性を調べた結果、EH47-1ではABAAの感受性が低下していたが、ABA応答性遺伝子群の発現レベルは高かった。 (2)凍結耐性試験と低温応答性遺伝子群の発現解析を行った結果、EH47-1では凍結耐性が向上していたが、低温応答性遺伝子群は親系統と同様の発現レベルを示した。 (3)Differential displayによりEH47-1で発現が増加していた新規遺伝子を単離したが、そのABAおよび低温応答性は、他の遺伝子と同様であった。 以上の結果は、凍結耐性に関与する未知のABA依存的経路の存在を示唆した。
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Research Products
(1 results)