2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工股間節手術における自動計画立案のための熱練医師が持つ専門知識のアルゴリズム化
Project/Area Number |
05J04000
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鍵山 善之 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 整形外科手術支援 / 人工股関節全置換術 / 手術計画システム / カップ設置計画 / 関節可動域シミュレーション / 脚長差 / 骨厚測定 / 3次元形状解析 |
Research Abstract |
本年度は,1.カップ自動計画システムの改良,2.手術計画調整システムの構築,3.他種人工関節システムへの適用を行った. 1.カップ自動計画システムの改良 骨盤ソケット構造の縁周辺部や変形により生じた空洞を自動的に検知し,最小骨厚の測定対象として不適当な領域を除外できるよう骨残厚測定アルゴリズムの改良を行った,また,本システムはカップの固定性を重視するため,骨盤ソケット構造の解剖学的特徴からソケット上部に設置する傾向があったが,Teardrop line偏位量を評価に加えることで顕著な高位設置解とその探索を回避できるようにした.改良の結果,熟練専門医との設置位置誤差は8症例の平均で3.2mmとなり,探索の効率化によって計算時間が平均19.8%短縮された. 2.手術計画調整システムの構築 前年度報告した脚長差と関節可動域の最適化を行い,最終的な手術計画を決定するモジュールを構築した.関節可動域の最適化において,骨盤ソケット縁の一部が棘状に伸びた変形を起こし,関節動作を阻害している場合,自動的に変形部位を除去して可動域計測を行えるようにした.実験では,脚長差の閾値は5mmとし,関節可動域は屈曲90度での内旋閾値を30度して4症例に適用した.その結果,平均脚長差は1.4mm,平均内旋角度は36.3度となり,4症例中3症例で脚長差及び関節可動域の最適解を得た. 3.他種人工関節システムへの適用 これまでは構成部品数が少なく直線的な基本形状を持つ人工関節システムを用いて自動手術計画の基礎アルゴリズムを構築してきた.今回本研究では,臨床的に多く用いられている,より構城部品数が多く,挿入対象骨の解剖学的形状を考慮した人工関節を使用できるよう改良を行い,自動手術計画アルゴリズムが他種の人工関節に適用可能かどうか検証を行った.その結果,従来の人工関節と同様に適切な解を求められることを確認できた.
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Research Products
(1 results)