2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J04009
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
下里 大輔 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 多能性 / 細胞接着 / 細胞増殖 / E-cadheirn-Fc / 分化抑制 |
Research Abstract |
申請者らはマウスES細胞における二次元培養・三次元培養における知見から、1.基質面との接着あるいは2.一定量以上の細胞間の接着によるシグナルが多能性維持に関与しているとの作業仮説のもと実験を遂行した。 1.申請者らはILKを介した基質面と接着が多能性維持に関与している可能性を見いだしていた(修士論文)。しかしながら、変異型ILK強制発現体の表現型を詳細に観察すると、分化しているコロニーとコントロールに比べコンパクトなコロニーが混在していた。ILKは細胞外基質との接着のみならず細胞増殖にも関与することが知られており、両者のどちらかが多能性維持に関与するかを慎重に判断するべきであり、現在ILK関連増殖因子との関連について検討中である。 2.細胞間接着に関与するE-cadherinについて、細胞間の接着は阻害せずシグナルのみを遮断できるような変異体の作製を試みていた。E-Cadherinの細胞外ドメインと免疫グロブリンのFcを融合したキメラタンパクの作製に成功し、胚様体型成期に添加することで表層分化に抑制する結果を得た。また、E-cadherinの抑制因子として知られているSnailに関して強制発現実験を行ったところ、細胞間接着の解除に成功したがES細胞はそのまま分化してしまった。この点からも細胞接着と多能性維持には何らかの関与があると考え、その作用機序について詳細に解析していきたいと考えている。
|
Research Products
(1 results)