2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J04009
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
下里 大輔 Kobe University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多能性 / 胚体外内胚葉 / 細胞接着 |
Research Abstract |
申請者らはマウスES細胞における二次元培養・三次元培養における知見から、1.基質面との接着あるいは2.一定量以上の細胞間の接着によるシグナルが多能性維持に関与しているとの作業仮説をたてた。 この仮説を実証するに当たって、壁側内胚葉幹細胞に注目した。壁側内胚葉幹細胞は、細胞通しが接着していないにもかかわらず幹細胞特性を持ち合わせている細胞である。当研究室では、転写因子Gata6及びGata4の強制発現がES細胞の壁側内胚葉に分化に十分であることを示していた。我々は、Gata6にグルココルチコイドレセプター(GR)のリガンド結合領域を融合させたGata6-GRを作製し、デキサメタゾン誘導型の壁側内胚葉分化系を樹立した。さらにGATA6-GRの活性を恒常的に維持することが、胚体外内胚葉細胞に幹細胞特性を付与することに必須であることを証明した(Shimosato et al., 2007 BMC Developmental Biology)。しかしながら、ES細胞においては、接着の解除が多能性の保持の破綻につながることから、我々はES細胞とES細胞から分化誘導をして得られた胚体外内胚葉幹細胞における遺伝子発現をマイクロアレイ法で解析し、胚体外内胚葉幹細胞分化課程で発現が抑制される(つまり、ES細胞特異的に発現している)、細胞接着および細胞外基質接着因子を多数発見している(未発表)。現在、マイクロアレイで選出した接着因子が、ES細胞の多能性維持に必須な転写因子Oct3/4およびNanogなどの発現にどのように関与しているかを、ES細胞を用いた遺伝子発現系を用いて解析している最中である。
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Research Products
(3 results)