2006 Fiscal Year Annual Research Report
抑制性転写因子Shn-2によるアレルギー反応制御に関する研究
Project/Area Number |
05J04148
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩村 千秋 千葉大学, 大学院医学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Asthma / Schnurri-2 deficient mice / NF-κB |
Research Abstract |
ほ乳類Schnurri(Shn)はTGF-β/BMP/activineシグナルの下流に位置すると考えられている分子である。これまでに私たちはShn-2ノックアウトマウス(KO)のT細胞ではTh2細胞への分化が有意に亢進することを見いだした。またShn-2 KOマウスのT細胞ではNF-κBのDNA結合能の亢進が観察されたことから、Shn-2はNF-κBの活性化を制御している可能性が示唆される。Th2細胞はその産生するサイトカインによりIgEへのクラススイッチ、気道炎症、気道過敏性、粘液産生を誘導することが知られている。またNF-κBの活性化は炎症免疫反応に必須のシグナル系であり、アレルギー疾患との関連性も多数報告されている。そこで私たちは卵白アルブミン(OVA)とAlumの投与によりShn-2 KOマウスにアレルギー性気道炎症を誘導することにより、生体内におけるShn-2の役割について検討した。その結果、Shn-2 KOマウスにおいて気道過敏性の亢進、気道炎症の悪化、気道粘膜の過分泌が観察された。さらにShn-2 KOマウスによる気道炎症の悪化がShn-2 KO Th2細胞によるものかどうか明らかにするため、in vitroで作成したOVA特異的Shn-2 KO Th2細胞をレシピエントマウスに移入し、気道炎症を誘導する実験を行った。その結果、wild type Th2細胞を移入したマウスに比べ、Shn-2 KO Th2細胞を移入したマウスにおいて気道過敏性の亢進や気道炎症の悪化がみられた。したがって、Shn-2はアレルギー反応の抑制性因子として重要な働きを担っている可能性が示唆された。これらの研究成果は、論文にまとめ現在投稿中である。
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Research Products
(2 results)