2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J04206
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
木羽 隆敏 独立行政法人理化学研究所, 生産制御研究チーム, 訪問研究員
|
Keywords | サイトカイニン / 情報伝達 / His-Asp系 / リン酸リレー / 植物ホルモン |
Research Abstract |
サイトカイニン(CK)は形態形成、ストレス応答や栄養源の分配など植物の生育の様々な段階で重要な役割を果たす植物ホルモンである。しかしその受容・情報伝達機構については、数ある植物ホルモンの中でも最も研究が遅れていた。それがここ数年の間に急速に花開き、情報伝達モデルが提唱されるまでに進展した。しかしCK情報伝達については、その初期段階のフレームワークが明らかになったにすぎない。高等植物のCK応答分子機構の全容を解明するには、His-Asp系により制御される標的遺伝子の同定が鍵となると考えている。本研究はこの標的遺伝子の同定・機能解析から、高等植物におけるCK応答分子メカニズムの解明を目指すものである。そのために、以下に示す3段階の研究を計画した。マイクロアレイを用いた標的遺伝子の探索(研究1)、Chromatin immunoprecipitation (ChIP) assayを用いたType-B ARR標的遺伝子の探索(研究2)、研究1、2で同定した標的遺伝子の機能解析(研究3)である。 平成17年度は主に研究1を遂行し、標的候補遺伝子の絞り込みを行った。その結果bHLH, Myb, AP2,GATAファミリーに属する転写因子、lateral organ boundary (LOB) domain containing proteinやhistone deacetylaseなど興味深い遺伝子を見いだすことに成功した。平成18年度は、これらの標的候補遺伝子の機能解析を行ってきた(研究3)。変異体や過剰発現体の表現形の解析から、いくつかの遺伝子について、His-Aspリン酸リレー情報伝達系の下流でサイトカイニン応答に関与することを示唆する結果が得られつつある。
|