2005 Fiscal Year Annual Research Report
試験管ES細胞分化システムを用いた間葉系幹細胞の分化メカニズムの解明と医療応用
Project/Area Number |
05J04209
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高島 康弘 神戸大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 胚性幹細胞 / 間葉系幹細胞 / 発生 |
Research Abstract |
ES細胞から間葉系幹細胞を誘導しえたこと、この間葉系幹細胞は神経上皮細胞由来であることから、試験管内のES細胞の分化メカニズムと生体内の発生過程が同じであるかを明らかにすることを目的として研究を行った。 神経上皮特異的に発現している遺伝子であるSox1遺伝子にCreリコンビネースをノックインしたマウスを作成した。まず、長腕側8kb、短腕側3kbでターゲッティングベクターを作成した。TT2ES細胞にエレクトロポレーションしたところ、数個のホモロガスリコンビーネーションをしたES細胞を得ることができた。このES細胞のうち、2ラインからキメラマウスが生まれ、F1を得ることができた。 Rosa-stop-YFPマウスと交配することで、Creが発現すると、YFPが発現し、ひとたびCreが発現した細胞は、理論上Creを発現し続けることができるマウスを作成することに成功できた。このマウスを解析したところ、胎生期においては、YFP陽性すなわち神経上皮細胞由来のPDGFRα陽性の細胞が存在し、その細胞は多分化能および増殖能力を有しES細胞由来の間葉系幹細胞と同じ能力および形態の細胞であった。以上のことから、少なくとも胎生期において、神経上皮由来の間葉系幹細胞が生体内で存在することを証明しえた。 次に出生後のマウスにて神経上皮由来の細胞が存在するのかを解析することにした。同様にSox1CreマウスとRosa-stop-YFPマウスを交配した。まず、間葉系幹細胞の存在が報告されている骨髄で解析をすることにした。出生直後のマウスを用いた解析からは、骨髄内にわずかではあるが、間葉系幹細胞が存在する、という所見を得た。 ヒトES細胞を用いて、マウスと同じ条件で間葉系幹細胞を得るために、分化誘導を行った。ひとES細胞は京都大学で樹立されたES細胞を用いた。
|