2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J04226
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西尾 美帆子 山形大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | アイオノマー / レオロジー特性 / ナノ構造体 / 小角x線 / 再利用 |
Research Abstract |
本年度は、成形加工に必要なレオロジー特性の系統的な評価と小角x線を用いてナノ構造体(イオン結合やイオン凝集体によって形成された構造体)の構造観察を行った。 1.レオロジー特性評価 レオロジー特性評価では、成形加工時に伴う2つの変形(せん断変形と伸長変形)を材料に与え、ナノ構造体がレオロジー特性に与える役割をイオン種の違いや含まれるイオン種の数の違いから明らかにした。さらにナノ構造体を含むポリマー(アイオノマー)を汎用ポリマーとブレンドした場合のレオロジー特性についても検討した。ナノ構造体が汎用ポリマーと相互作用する場合、ブレンドした試料はレオロジー特性が飛躍的に向上するという結果が得られた。この手法を用いることによって廃プラスチックをレオロジー制御することにより再利用が可能になるのではないかと期待される 2.ナノ構造体の構造観察 小角x線による構造観察では、固体・溶融状態における静止下、変形下におけるナノ構造体の変化を測定した。この研究では、溶融伸長変形下におけるナノ構造体の変化をリアルタイムで測定を可能とした。はじめに小角x線装置に装着可能な溶融伸長装置の作成から着手した。この装置は真空管の真横に設置するため、断熱効果や軽量化を重要視し、さらにどの高分子試料も伸長変形可能となるように作成した。小角x線測定は高エネルギー研究機構にて行った。ナノ構造体は温度や含まれるイオン種の違いによって形状が異なることがわかった。このほかのイオン種においても同様の測定を行った。その結果、固体・溶融状態における静止場ではナノ構造体の形状は温度やイオン種に依存することがわかった。 さらに以上のレオロジー測定と小角X線測定の2つの結果を相関的に考察することにより、ナノ構造体がレオロジー特性に働く役割についても明らかにした。
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Research Products
(1 results)